『パリランプ』
今回は一旦ヨーロッパ視察から離れてひとつのランプをご紹介したい。

ポール・ヘニングセン『パリランプ』
photo©️Kyushima Nobuaki
このペンダント・ランプは『パリランプ』と呼ばれ、1925年パリ万博への出展作品である。
現在日本橋高島屋で開催されている(2025年3月5日〜24日)「北欧のあかり展 ヒュッゲな暮らしをデザイン」で展示されている。
1925年パリ万博は、正式には「Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels Modernes」というもので、「装飾芸術・現代産業万国博覧会」と和訳される。
そしてその後、通称「アール・デコ博」と呼ばれるようになった。
1900年パリ万博のあとにパリ市に寄贈されたグラン・パレやプティ・パレといった既存の展示館を利用。
その他、仮設建設物はセーヌ川の両岸に設置された。
1900年パリ万博の際に作られたアレキサンダー3世橋の上には、ベニス風の商店街が設置された。会場はアンヴァリッドまで延びていた。
参加国数は22、入場者数1599万人という規模の万博だった。
この万博についてはこのブログで何度かご紹介しているのでご興味のある方はそちらもご参照いただきたい。
<19> <20> <28> <45> <79> <110>
また、副題になっているデンマークの「ヒュッゲ(ヒュゲ)」についても<31>でご紹介している。
さて、このランプはデンマークのデザイナーであるポール・ヘニングセン(Poul Henningsen, 1894-1967)
によるものである。

ポール・ヘニングセン『パリランプ』
photo©️Kyushima Nobuaki

ポール・ヘニングセン『パリランプ』
photo©️Kyushima Nobuaki
解説パネルによると、以下のようにある。
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(前略)万博に先立ち、デンマーク館のための照明コンペが実施され、ヘニングセンとルイスポールセンが協力してそのコンペに参加して勝利したことが、このランプが生まれる背景です。
6枚の洋銀シェード(銅、亜鉛、ニッケルの合金)が電球を隠し、直下と斜め下方向に光を反射して展示物を明るく照らし、上方への光は抑える設計です。ヘニングセンは生涯を通じ、まぶしさがなく、光を必要とする場所を効率良く照らし、そして美しさを併せ持つランプのデザインを追求しましたが、パリランプはその最終回答につながるデザインです。
アールデコ様式の装飾デザインが主流を占めたパリ万博にあって、ヘニングセンのランプは ”Form Follows Function”というデザインアプローチで際立ち、高い評価と賞を得ました。(後略)
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今回の展示ではこの『パリランプ』は当時のデンマーク展示の写真とともに展示されている。
そこには「DANEMARK」という文字がはっきりと確認できるのである。

「北欧のあかり展」展示風景
ポール・ヘニングセンの作品群
photo©️Kyushima Nobuaki
この展覧会は東京のあと、2025年3月27日〜4月14日、大阪高島屋に巡回される予定である。
1925年パリ万博に出展された『パリランプ』。
直接見ることのできる貴重な機会である。