久しぶりのバルセロナ訪問
今回のヨーロッパ視察では、フランス・パリ、スペイン・バルセロナ、英国・ロンドンの3都市を訪れた。
ロンドンには2019年にも訪れたので今回は約6年ぶりとなる。
今回の視察については<126>から<141>にかけてご紹介した。
スペインということでは、マドリッドには2008年に一度訪れているが、バルセロナに訪れるのは多分25年ぶりくらいになると思われる。
バルセロナでオリンピック、セビリアで万博が開催された1992年、いわゆる「スペイン・イヤー」のあたりには、バルセロナを何度か訪れた。
バルセロナと万博
さて、バルセロナでは、1888年、1929~30年と過去2回万博が開催されている。
その他、スペインということでは1929~30年にはセビリアで万博が開催されている(バルセロナと同時開催)。
さらに記憶に新しいところでは、上記「スペイン・イヤー」となった1992年に再びセビリアで万博が開催されている。
1888年バルセロナ万博と「シウタデリャ公園」
その最初の万博、1888年バルセロナ万博は、「シウタデリャ公園」ということろを会場として開催された。
この「シウタデリャ」というのはカタルーニャ語で「城塞」という意味であり、かつて要塞がここにあったことから名付けられたという。
この万博は、入場者数にして230万人程度であり、世界22カ国(資料によっては27カ国)が参加した。翌1889年の第4回パリ万博が3200万人もの入場者を集めたことと比べると小さな万博ではあった。
日本も公式参加
この万博では日本は公式参加している。
日本の展示コーナーの写真を見ると、所狭しと大小の焼き物が並べられている。これは壮観だったに違いない。
記録によると、香蘭社のコーヒーカップなどが金賞を受賞している。
「シウタデリャ公園」の現在
そして、この「シウタデリャ公園」は、今もバルセロナに残っているのである。
今回、この「シウタデリャ公園」を訪れてみた。

シウタデリャ公園の案内図
photo©️Kyushima Nobuaki
朝早く訪れたせいか、犬の散歩をしている人や、ジョギングしている人など、市民の憩いの場となっているようである。
公園の広さは31ヘクタール。

シウタデリャ公園内の様子
photo©️Kyushima Nobuaki

シウタデリャ公園内の様子
photo©️Kyushima Nobuaki
万博のために建てられ、万博では入場門になった「凱旋門」も健在である。

1888年バルセロナ万博のために建てられた凱旋門
photo©️Kyushima Nobuaki
記念塔もあり、そこには、
バルセロナで1888年に開催された
という意味の碑文が書いてある。

シウタデリャ公園の前に立つ塔
「スペインで初めて実現した万国博覧会は
バルセロナで1888年に開催された」
という意味の碑文がある
photo©️Kyushima Nobuaki

塔の下部の碑文
REALIZÒ EN ESPAÑA
LA PRIMERA
EXPOSICION UNIVERSAL
CELEBRADA EN BARCELONA
MDCCCLXXXVMI
(スペインで初めて実現した万国博覧会は
バルセロナで1888年に開催された)
とある。
photo©️Kyushima Nobuaki
また、公園内には、現在も温室や展示パビリオン、礼拝堂などいろいろな建物がたっている。

シウタデリャ公園内の様子
photo©️Kyushima Nobuaki

シウタデリャ公園内の様子
photo©️Kyushima Nobuaki

シウタデリャ公園内の様子
photo©️Kyushima Nobuaki
入って左の奥には現在カタルーニャ自治州議会議事堂となっている建物もあった。

突き当たりの建物が「カタルーニャ自治州議会議事堂」
photo©️Kyushima Nobuaki
しかし、万博当時から唯一残っている建物は、建築家ドメネク・イ・ムンタネール(Lluís Domènech i Montaner、1850 – 1923)の「3匹のドラゴンの城(Castell dels Tres Dragons)」と呼ばれる建築物である。
この建物は万博当時はカフェレストランとして使用されたものである。

建築家ドメネク・イ・ムンタネールの「3匹のドラゴンの城」と呼ばれる建築物。
この建物は万博当時はカフェレストランとして使用された。
photo©️Kyushima Nobuaki
さて、この公園には、アントニ・ガウディの作品も現存する。
それについてはまた今度ご紹介することにしよう。