<105>銀座で開催中のマティス展

1937 Paris
「マティス ー 色彩を奏でる」展 サイン photo©️Kyushima Nobuaki

マティス ー 色彩を奏でる」展

2024年10月4日(金)から10月27日まで、銀座の「POLA MUSEUN ANNEX」「マティス ー 色彩を奏でる」展が開催されている。

「マティス ー 色彩を奏でる」展 サイン
photo©️Kyushima Nobuaki

この展覧会は銀座一丁目にある「ポーラ銀座ビル」の15周年記念展、ということである。
このミュージアムは無料で観覧することができるが、今回は無料というのが信じられないくらい豪華な作品群を楽しむことができる。
来館者も普段よりはずいぶん多い気がした。

今回は、油彩が5点、リトグラフ詩集、そして切り絵手法を取り入れた『ジャズ』全20図が展示されている。
油彩はポーラ美術館の名品『リュート』をはじめ、どれも素晴らしい作品である。

『リュート』1943年

『襟巻の女』1936年

『室内: 二人の音楽家』1923年

『中国の花瓶』1922年

『紫のハーモニー』1923年

『ジャズ』 1947年発行

『ジャズ』 1947年発行

展示風景(『ジャズ』 1947年発行)

展示風景(『シャルル・ドルレアン詩集』1950年刊)

展示風景(『シャルル・ドルレアン詩集』1950年刊)

アンリ・マティスと万博

アンリ・マティス(1869-1954)といえば、言わずと知れたランスの大画家であり、色彩の魔術師と言われ、フォーヴィスム(野獣派)という絵画様式を生み出した巨匠である。

アンリ・マティスの写真

万博にも参画している。

1900年パリ万博には、マルケとともにこの万国博覧会に向けて建造された「グラン・パレ」の巨大な装飾製作に参加している。

この「グラン・パレ」は、1900年に美術展会場として建設され、ずっと展覧会場として使用されてきたが、今年開催されたパリオリンピックでは、改修され、テコンドーとフェンシングの会場として使用された。

グラン・パレ(1900年)

また、1937年パリ万博の一環として、「グラン・パレ」の隣の「プティ・パレ」で開催された「独立美術の巨匠たち1895-1937展」、通称「巨匠展」に最多の61点もの作品を展示したのである。

このあたりの話は
<21>「マティス展」(東京都美術館)と『夢』
<26>現在開催中の「マティス展」とマティスの万博出展作品
にも詳しく書いたのでご参照いただきたい。

調べたところ、今回出展されている作品には、上記パリ万博「巨匠展」出展作は含まれていなさそうであるが、なにげに銀座を歩いていても、こういった万博がらみの作家の展覧会が開催されている。1937年パリ万博を想いながら銀座でゆっくりマティスを鑑賞した休日であった。

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