『1851年5月1日ヴィクトリア女王による大博覧会の開会式』 ー 海外からの来賓

『1851年5月1日ヴィクトリア女王による大博覧会の開会式』(“THE OPENING OF THE GREAT EXHIBITION BY QUEEN VICTORIA ON 1 MAY 1851”
1851年ロンドン万博の開会式の様子を描いた『1851年5月1日ヴィクトリア女王による大博覧会の開会式』。
さて、最後にこの絵の右側のグループについて紹介しよう。
この右側に立つ人々は主に海外からの来賓である。
つまり、各国の展示責任者であり、各国の代表者である。

海外各国の代表者たち
その中には、アメリカ、カナダといったアメリカ大陸からの来賓もおり、またフランス、ベルギー、オーストリア、プロイセン、ロシア、スウェーデン/ノルウェー、スイス、スペイン、チュニジア、トルコといった国からのVIPも顔を揃えていた。

アメリカ大使
Abbott Lawrence, Ambassador from the USA

ベルギーの大臣
Jean Sylvain van de Weyer
Belgian Minister

フランスのコミッショナー(左)とオーストリアのコミッショナー(右)
Charles Jean Sallandrouze de Lamornaix, French Commissioner (Left), and Adam von Burg, Austrian Commissioner

プロイセンのウィリアム王子
Prince William of Prussia

プロイセンのコミッショナー
Georg Wilhelm von Viebahn
Commissioner for Prussia

ロシアのコミッショナー
Gabriel de Kamenski
Russian Commissioner

スイス(右)とオーストリアのコミッショナー
Jean-Daniel Colladon, Swiss Commissioner (right) & Charles Buscheck, Austrian Commissioner
中国からの「来客」
その中で人目を引くのは、中国からの来客である。
1851年といえば、清朝末期であり、中国国内では、洪秀全が広西省金田村で挙兵し、「太平天国」を建国する、という「太平天国の乱」が勃発した年である。
そんな中、この人物はロンドン万博を訪れていた。

ヒー・シン
Hee Sing
ライオン・プレイフェア(Lyon Playfair 1818 – 1898)という科学者でもあり自由党の政治家でもあった人物はこの中国人(Hee Sing ヒー・シン)について下記のように記している。
彼が誰なのか誰も知らなかった。もしかしたら、儀式に密かにやって来た中国皇帝本人かもしれない。
彼はカンタベリー大主教とウェリントン公爵の間に立ち、堂々とした姿勢で建物内を行進し、見る者すべてを歓喜と驚嘆に包んだ。
しかし、事実はどうも怪しいものであった。
彼は続けて書いている。