<135>ロンドン・バスと万博の関係とは?

2010 Shanghai Expo
ロンドンを走る『ニュー・ルートマスター(New Routemaster)』 photo©️Kyushima Nobuaki  

ロンドンの新しいダブルデッカー・バス

ロンドンに行くと、いやでも赤いダブルデッカーのロンドンバスが目に入ってくる。

ロンドンを走る『ニュー・ルートマスター(New Routemaster)』
photo©️Kyushima Nobuaki

Googleマップを活用すれば、どこに行くにも最寄りのバス停からのルートを示してくれるので大変便利だ。

前回訪れた2019年当時は、オイスターカードという交通カードを買って乗車したが、今回はクレジットカードでタッチ決済で乗ることができて非常に便利であった。

1乗車の料金は2025年3月時点で大人1.75ポンド(1ポンド=192円として336円相当)。
東京の210円の1.5倍以上だが、そもそもロンドンの物価は非常に高い。(というか世界の都市を比べると東京が圧倒的に安い。)

このロンドン交通局のバスであるが、
路線数は675で、車両数は約9300台、1日乗車客数は約600万人という。

ちなみに東京都のいわゆる都バス(民間のバス含まず)は
路線数131、車両数1,527, 1日乗車数は約60万人とのことである。

さて、このロンドン・バスにもいくつかのタイプがある。

『ニュー・ルートマスター(New Routemaster)』

その新しいタイプである『ニュー・ルートマスター(New Routemaster)』というバスは独特の丸みを帯びた車体と大きな窓ガラスのなめらかなデザインでひときわ人目をひく。

ちょっと近未来を感じるデザインである。

ロンドンを走る『ニュー・ルートマスター(New Routemaster)』後部のデザイン
photo©️Kyushima Nobuaki

ロンドンを走る『ニュー・ルートマスター(New Routemaster)』前面のデザイン
photo©️Kyushima Nobuaki

このバスのデザインをしたのはヘザウィック・スタジオである。

ヘザウィック・スタジオについては
<13>ヘザウィック・スタジオ展(六本木・森美術館《東京シティビュー》①
<14>ヘザウィック・スタジオ展(六本木・森美術館《東京シティビュー》②
<65>ヘザウィック・スタジオの『ヴェッセル』と『リトル・アイランド』

でもご紹介した。

2010年上海万博の独特なデザインの英国パビリオン「種子聖殿」を設計した、トーマス・ヘザウィック(1970年、英国生まれ)が創設したデザイン事務所である。

日本でも、最近は東京の「麻布台ヒルズ」低層階部分のデザインなどを担当している。

東京シティービューから見える「麻布台ヒルズ/低層部」
Azabudai Hills/Lower Levels, the view from Tokyo City View   photo©️Kyushima Nobuaki

このバスのコンペは2009年から始まっていたようなので(最初のバスが走ったのは2012年)、このプロジェクトは、上海万博英国パビリオンと同時並行で進んでいたのだろう。

パターノースター通気口『エンジェル・ウィング』

トーマス・ヘザウィックの作品はバスにとどまらない。

ロンドンへの旅行者の多くが訪れる「セント・ポール大聖堂」

そのすぐ隣に再開発されたエリアがある。
その名称は「パターノスター広場(Paternoster Square)」

セント・ポール大聖堂に隣接した「パターノスター広場(Paternoster Square)」
photo©️Kyushima Nobuaki

三菱地所が開発に関与し、2003年に完成した。
ロンドン証券取引所やゴールドマン・サックスなどの金融機関が拠点をおくエリアでもある。

その「パターノスター広場」に斬新なデザインのオブジェがある。
これがトーマス・ヘザウィックがデザインした『天使の翼(Angel Wings)』である。
これは2つの通気口を巧みに隠してアートとして成立させたものである。

『エンジェル・ウィング』
photo©️Kyushima Nobuaki

近くに設置されたサインには次のような説明がある。

『パターノスター通気口 別名:天使の翼(Angel Wings)』
2002 年、ステンレス鋼ヘザーウィックの印象的な彫刻は、互いに鏡像になっている 2 つの塔で、それぞれ 63 個の同じ二等辺三角形のステンレス鋼板を溶接して作られています。
二等辺三角形を繰り返すことで、紙を折る実験から生まれたデザインで複雑な螺旋形が生まれます。
この構造物は高さ 11 メートルで、サテン仕上げにするため小さなガラスビーズが吹き付けられています。
三菱地所の委託でスタンホープ社が制作。

『エンジェル・ウィング』
photo©️Kyushima Nobuaki

『エンジェル・ウィング』
photo©️Kyushima Nobuaki

万博のパビリオンデザインからバスのデザイン、オブジェのデザインまでヘザウィック・スタジオの活躍範囲の拡大はとどまるところを知らない勢いである。

 

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