<126>1851年ロンドン万博のシーズン・チケット

1851 London Expo
1851年ロンドン万博「シーズン・チケット」 Season Ticket, 1851 Great Exhibition photo©️Kyushima Nobuaki

ヨーロッパへ視察旅行へ

2月の最後の投稿からあっという間に1ヶ月半が経ってしまった。

その間、サントリー美術館で開催中の「エミール・ガレ展」などにも訪れ、これは万博にもかなり焦点が当たっているのでそのうち書かなければ、と思っているうちに、機会を得て、急遽約半月のヨーロッパ視察に訪れることになり、先週末にようやく帰国した。

今回の視察は万博都市とも呼ばれるフランス・パリ、2回の万博が行われたスペイン・バルセロナ、そして最初の万博が開催されたイギリス・ロンドンの3都市であった。

これを秩序立ててご紹介することになると、その背景含め膨大な情報量になってしまい、読みにくくなってしまうだろう、ということから、今回から何回かに分けて、比較的短めに、写真を中心にいろんなトピックスをご紹介していこう。

1851年ロンドン万博の「シーズン・チケット」

最初の写真はこれである。

1851年ロンドン万博「シーズン・チケット」
Season Ticket, 1851 Great Exhibition
photo©️Kyushima Nobuaki

これは、1851年ロンドン万博「シーズン・チケット」である。

1851年ロンドン万博は世界初の万博であり、拙著『万博100の物語』でも詳しくご紹介したのでご興味のある方は是非ご一読いただきたい。

さて、そして、このチケットこそが、この記念すべき初めての万博の「初めての万博シーズン・チケット」であった。
万博はその第1回目から「シーズン・チケット」という制度を導入していたのであった。

このシーズン・チケットには「Mary Ann Frodsham」というサインがしてあり、彼女のチケットであったことがわかる。
さぞかし裕福な家庭の女性だったに違いない。

というのも、当時、このシーズン・チケットは2ギニー(現在の価値でいうと200ポンド、つまり約4万円)という高額で販売されていたのである。

1851年ロンドン万博の入場料は、

開会から2日間(5月1日、2日)… 1ポンド
5月3日から5月22日まで  ……… 5シリング
その後は  月曜日~木曜日  …… 1シリング
金曜日  ……………… 2シリング6ペンス
土曜日  ……………… 5シリング

というものであった(日曜日は休み)。

それぞれの単位は、1ポンド=20シリング、1シリング=12ペンスという換算式である。

このギニーという単位は21シリングに相当する(1ポンドよりわずかに価値が高い)。

このシーズン・チケットは男性3ギニー、女性2ギニーで販売された。
(男女で差があるのも興味深い)

つまり、この女性Mary Ann Frodshamさんのチケットは5月23日以降の月曜〜木曜の入場料1シリングの42倍の価格だった、ということになる。

4万円相当と聞くとそれほどでもないのでは、という気もするだろうが、1日入場券の42倍(男性は63倍)と聞くと相当割高ということがわかる。

ちなみに、今年開催される2025年大阪・関西万博では4/13日以降の平日券は大人6,000円、通期パスは30,000円であり、その差は5倍にすぎない。
仮にロンドン万博と同じ42倍/63倍なら252,000円(女性)、378,000円(男性)ということになってしまう。

シーズン・チケットの優遇

ヴィクトリア女王とその夫・アルバート公をはじめとするロイヤル・ファミリーも出席するオープニング・セレモニーの行われる5月1日には、このシーズン・チケットを持つ人が優先的に入場できたらしい。

その日だけで25,000枚のシーズン・チケットを持つ人が押しかけたという話である。

Mary Ann Frodshamさんもオープニング・セレモニー当日に、このチケットを持って会場のクリスタル・パレスへ訪れたのだろうか。

そんなことを想像しながらこの本物のチケットを眺めるとなかなか感慨深いのである。

<展示されている場所>Victoria & Albert Museum, London
Level 3 Britain (1760-1900)セクション内 122号室
”The Great Exhibition”の展示室

ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム
Victoria & Albert Museum
photo©️Kyushima Nobuaki

ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム Britain(1760-1900)セクション
Victoria & Albert Museum, Britain(1760-1900)
photo©️Kyushima Nobuaki

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